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読み込み中...アルミニウム合金や銅合金など、明確な疲労限度を示さない非鉄金属材料で用いられる評価指標です。無限回の繰り返しではなく、「10の7乗回」といった特定の回数の繰り返し荷重に耐えられる応力の上限値を示します。
航空機の機体や自動車の足回り部品など、軽量化のためにアルミ合金が使われる部材の損傷鑑定において、設計上の想定寿命(繰り返し回数)を超えた過酷な使用がなかったかを判断する際に、この時間強さの概念が基準となります。
鉄鋼材料のように、ある応力以下の荷重であれば、無限に繰り返しても破壊(疲労破壊)しないとされる応力の上限値です。S-N曲線(応力と繰り返し数の関係グラフ)で、曲線が水平になる部分が疲労限度に相当します。
鉄道の車軸やクレーンのワイヤーなど、長期にわたり繰り返し荷重を受ける鉄鋼部品の事故調査において、設計応力が疲労限度を下回っていたか、あるいは想定外の応力集中で疲労限度を超えてしまったのかを究明する際の基本知識です。
溶かした鋼(溶鋼)を鋳型に流し込んで固めて作られた製品です。複雑な形状を一体で製造できる利点があります。JIS記号では「SC」(Steel Casting)で始まり、溶接性を高めたものは「SCW」(Welding)と表記されます。
建設機械のアームの付け根や船舶の大型バルブなど、複雑な形状で高い強度が求められる部品の損傷鑑定で、溶接補修の痕跡がある場合、その材質が溶接に適したSCW材か、そうでないSC材かを確認することは、補修の妥当性を判断する上で重要です。
スズ(Sn)や鉛(Pb)を主成分とする、融点が低く柔らかい白色の合金です。摩擦係数が小さく、軸とのなじみ性が良いため、大型エンジンやタービンの「すべり軸受」の内張りに使用されます。
発電所のタービンや大型船舶のクランクシャフトが焼き付いた事故の鑑定において、軸受部分を分解調査します。ホワイトメタルが溶損している場合、潤滑油の供給不良や異物混入など、事故原因を推測する直接的な証拠となります。
クロム(Cr)にニッケル(Ni)を添加することで、常温でも「オーステナイト」という安定した金属組織を持つステンレス鋼です。耐食性、溶接性、加工性に優れ、磁石につかない(非磁性)のが特徴です。代表例は18%Cr-8%Niを含むSUS304です。
食品工場のタンクや化学プラントの配管で腐食による漏洩事故が発生した場合、材質がSUS304などの適切なオーステナイト系ステンレス鋼であったかを確認します。現場で磁石を当てて、磁性がないことを簡易的に確認するのも鑑定手法の一つです。
アルミニウム(Al)に銅(Cu)やマグネシウム(Mg)を添加し、熱処理(時効硬化)によって鋼材に匹敵する強度を持たせた高力アルミニウム合金の通称です。軽量かつ高強度なため、航空機の構造材料として広く利用されます。JIS記号ではA2017などが該当します。
航空機事故の鑑定において、機体の残骸から回収された構造部材がジュラルミンであると特定できれば、その破断面を分析することで、金属疲労による破壊か、瞬間的な過大荷重による破壊かを判断する手がかりが得られます。
銅(Cu)を主成分に、ニッケル(Ni)と亜鉛(Zn)を加えた銀白色の合金です。洋銀やニッケルシルバーとも呼ばれます。耐食性に優れ、ばね性も良いため、装飾品、医療機器、精密機械のばね部品などに使用されます。
医療機器の故障原因調査で、内部の微細な接点ばねが折損していた場合、材質が洋白であることを確認し、腐食環境や繰り返し応力による疲労が原因ではないかを分析します。
一般的に「ナイロン」として知られるエンジニアリングプラスチックの略号です。機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐油性に優れており、自動車の燃料タンクやエンジン部品、歯車などに使用されます。
自動車のエンジンルーム内で発生した火災事故の鑑定において、溶融した樹脂部品の残骸からPA(ポリアミド)の材質を特定できれば、それが燃料チューブであった可能性を考え、燃料漏れの有無を重点的に調査する方針を立てることができます。
| 比較軸 | 鉄鋼材料 | 非鉄金属材料(アルミ合金など) |
|---|---|---|
| 疲労特性 | ある応力以下では無限に繰り返しても破壊しない | 応力が低くても、繰り返し数が増えればいずれ破壊する |
| S-N曲線 | 途中から水平になる(明確な水平部が存在) | 右下がりの曲線のまま水平にならない |
| 評価指標 | 疲労限度 | 時間強さ(特定の繰り返し数での強度) |
| 鑑定上の注意点 | 疲労限度以下の設計でも、傷や腐食による応力集中で疲労破壊が起こりうる | 設計寿命(想定繰り返し数)を超えた使用が疲労破壊の直接原因となりやすい |
| 比較軸 | オーステナイト系 | フェライト系 | マルテンサイト系 |
|---|---|---|---|
| 金属組織 | オーステナイト | フェライト | マルテンサイト |
| 主要成分 | Cr, Ni | Cr | Cr, C |
| 磁性 | なし | あり | あり |
| 特徴 | 耐食性・加工性・溶接性が最も良い | 安価で耐食性も良好 | 焼入れで硬化し、刃物になる |
| 代表記号 | SUS304 | SUS430 | SUS403 |
| 主な用途 | 厨房、化学プラント、車両 | 厨房用品、建築内装、自動車部品 | 刃物、タービンブレード、シャフト |
| 比較軸 | 非熱処理型合金 | 熱処理型合金 |
|---|---|---|
| 強化方法 | 加工硬化(圧延や引抜きなどの冷間加工) | 熱処理(焼入れ・時効硬化) |
| 特徴 | 耐食性、溶接性に優れる。加熱すると軟化する。 | 熱処理により鋼材並みの高強度を発揮する。 |
| 代表的な合金系 | 純Al (1000系), Al-Mn (3000系), Al-Mg (5000系) | Al-Cu (2000系), Al-Mg-Si (6000系), Al-Zn-Mg (7000系) |
| 鑑定上の注意点 | 火災などで加熱されると著しく強度が低下する。 | 溶接などで局部的に加熱されると熱処理効果が失われ、強度が低下する可能性がある。 |